セブンプレミアムの事例 プライベートブランド(PB)の雄たる存在

セブンプレミアムのプライベートブランド戦略
ブランド戦略

利便性と上質の融合から、ジャパンブランドへ

2007年に市場に登場し、2025年度売上高約1.5兆円という驚異的な成長を遂げたセブンプレミアム。その軸には利便性に加えて上質というもう一本の軸がありました。

一見矛盾する「利便性かつ上質」という水と油を融合させ、競合が追随する中で更なる戦略的リブランディングへと舵を切る。ジャパンブランドとしての地位確立を目指すその道のりは、マーケティングの本質を体現しています。

*売上高など数値に関するものは2025年度11月時点の情報に基づいています

利便性と上質の革新的融合

日本をはじめ世界を見渡しても利便性の一本足打法であるプライベートブランド。ナショナルブランドやグローバルブランドが市場の重心でありプライベートブランドは補完物としての存在でした。

セブンプレミアムが市場に登場したのは今から約18年前。今その売上高は1.5兆円。単純計算で毎年1千億円ずつ積み増したことになります。誰もその様なプライベートブランドを経験したことがありませんでした。

その軸には利便性に加えて上質というもう一本の軸が見えてきます。利便性と上質は相容れない(or)の関係。それを一見矛盾する利便性かつ上質という水と油を融合(and)する関係へとまさに戦略の導入という実はマーケティング上あたりまえのことをやってのけました。

戦略的ブランディングのイメージ

信頼と誠実の文化的リブランディング

セブンプレミアム市場投入後18年が経過し予想通り競合も利便性and上質のPB市場に激しく参入。競合は参入時は代替品アプローチを取り臆面もなくパッケージも中身も類似し市場は一気に無差別の飽和へと進みました。

その後は広告投下による認知獲得という一般カテゴリーの営み同様創造性から資本力の勝負へと変化しています。PBのNB(ナショナルブランド)化と言えるでしょう。

その状況下に、セブンプレミアムは、顧客と社会への信頼と誠実の文化とものづくりを磨ききることを目的として戦略的リブランディングチームを設置。本質的マーケティング/ブランディングのラーニングを強化しジャパンブランドとしてのポジションをデザインしています。

ジャパンブランドへの進化

ジャパンブランドとしての次のステージへ

ユニクロ、MUJI、LEXUSなど数えるほどしかないジャパンブランド。そのステージにポジショニングするにはラーニングとインテリジェンスをシームレスに日々創造的活動をする必要があります。

18年目にキャッチアップしてきた競合をまた更に約15年背中を見続けさせることになるジャパンブランドへのリブランディング。日本を代表するブランドストーリーを日本人が世界中で語る日も近いです。

プロジェクトからの学び

水と油の融合

利便性と上質という一見矛盾する要素を「and」で結ぶ戦略が市場を劇的に変えました。

18年間の環境判断

客観視と主観視の美しいほどの融合により、競合が追随できない期間を計算し抜きました。

文化的研磨

競合が飽和した市場で、ジャパンブランドという次のステージへの戦略的移行を選択しました。